「EC」とは?知ってそうで知らない基礎知識をわかりやすく解説!

「Amazon」や「楽天市場」などの登場で、実際に店舗へ出向かなくても商品を購入できることが当たり前となってきた現代社会。
「ECサイト」という言葉もWEB担当の方ならおそらく1度は耳にしたことがあるかと思います。

ただ、「EC」という言葉だけが先行し、その種類や特徴、歴史的な背景までは知らない…というWEB担当の方はまだまだいらっしゃるかと思います。
今回は、そんな「EC」に着目して、
「ECサイトってそもそも何なのだろう」と考えている方から、
「ECって聞いたことあるけど、深くまで考えたことないな」という方まで
まだまだ知らないECの世界をご紹介いたします。

そもそも「EC」とは?

まず、ECとはそもそもどんな意味なのでしょうか?。
ECは「Electronic Commerce」の頭文字を取った略語です。
日本語では「電子商取引」と訳され、一般的にインターネットでのモノやサービスの売買取引全般を指します。

ECの起源は、所説様々ありますが、
その起源は1994年に米国で生まれた「Net Market」だとされており、
インターネットの整備や普及とともに1996年から大きく発展したと言われております。

日本では、今や知らない人はいない「楽天市場」が1996年からEC事業を先駆けとして、ECの普及に寄与しました。

消費者の3つのメリット

ECの普及は消費者にとって商品を購入する手法として劇的な変化をもたらしました。
ここでは3つのメリットを紹介していきます。

買い物の場所を選ばない

消費者が好きなタイミングで「場所を選ばずショッピングできる」ようになりました。
特に地方では近くのスーパーまで車で片道30分以上かかる地域もあり、都市部との格差がありました。
しかし今では、EC(特にネットスーパーや定期購買)の普及により、距離の壁を克服したのはもちろん、足腰の不自由な高齢者や妊婦さんでも、通信環境下で好きなものを買うことができるようになりました。

より多数の「商品・店舗」比較が可能

消費者が購買活動において「より手軽に、多彩な選択肢を持てる」ようになりました。
これはユーザーが主体となって情報収集から購買まで実施できるようになったことを表します。

衣服を例に挙げると、EC普及前は、自分の欲しいジーンズを探して何軒も店舗を回るのが当然でした。
※筆者の場合、地方のため近くにアパレルショップが少なく、ファッション関連はア〇イルさん一択でした(笑)

しかし、ZOZOTOWNや比較サイトなどの登場により、ユーザーが店舗までの距離に左右されない「主導権を握った購買活動」が可能となりました。
これにより販売者側としては、他社商品と比較した際の、自社商品の特色がより一層求められるようになりました。
ECの普及により、消費者はより充実した購買活動が可能になったと言えます。

口コミを見ることができる

もう一つ消費者にとって非常に大きなメリットは「口コミを見ることができる」ようになったことです。
ECサイト内の口コミなどで消費者の生の声が聞けるようになったことは、EC普及による大きな変化と言えます。

消費者は購買において、ミスマッチやリスクを非常に嫌います。
そのため、消費活動において実際に購入したユーザーの声は、親近感・信頼感のあるものであり、比較・検討において重要事項と言えます。

例えば、Amazonや楽天市場で商品を購入しようと考えていた際に、口コミが0件や低評価ばかりで気が引けて、「一旦考え直そう」と購入を思いとどまった経験はありませんか?
もちろん店舗での買い物でも評判を気にする方が多いかと思いますが、この現象はECサイトでの購買では特に顕著に見られます。
消費者にとってECサイトは、購買活動のミスマッチをなくす、非常に便利な仕組みであると言えます。

販売者の3つのメリット

消費者だけでなく、販売者側にもEC普及が及ぼした影響は大きなものでした。
3つご紹介します。

マーケットの幅が広がる

販売者はECにより、「顧客層になりえるマーケットの幅を広げること」ができます。
ECを使えば、商売において日本全国のユーザーを対象とすることができ、もっと言ってしまえば、海外のユーザーをも容易にターゲットとすることができてしまいます。

例えば、地域密着で根強い人気を誇る和菓子店を想像してください。
テレビや雑誌などで紹介されるほどの有名店だとしても、全国出店となると、同じ味を継承できるか、接客品質を保てるか…など、様々なリスクが想定できます。
一方でECでの展開を考えた際は、これらのリスクは解消され、日本国民全員を商売のターゲットと設定することができます。

コスト削減

また、販売者にとっては「コスト削減」も期待できます。
同じ「日本全国での商売を可能とする」という目的でも、ECサイトの開設という手法と、全国に店舗展開する手法を比較すると、想定される固定費用は雲泥の差です。

例えば、全国に6店舗出店しているファッションブランドがあるとします。
店舗運営であれば家賃、光熱費、人件費などの費用は、もちろん店舗ごとにかかってきます。
これがECサイトであれば24時間稼働できる事はもちろんのこと、これらの固定費を抑えることができます。

より詳細なユーザー分析が可能

最後のメリットですが、購買において「より詳細なユーザー行動の分析」ができるようになります。
これは、経営戦略の立案にも直結する特徴になり得ます。

ECでは、webサイト上でユーザーが購買に至るまでの経路を計測し、A/Bテストを実施することができます。
もしこれが店舗であれば、消費者が何をきっかけに商品に興味を持ったのかが不明確なため、効率の良い広告宣伝手法を実数値で検証することはは非常に困難です。
ECサイトでGoogleアナリティクスを用いれば、Googleの自然検索からwebサイトへ来たユーザーが多いか、SNSからwebサイトへ来たユーザーが多いかは一目瞭然です。

ECの種類

実は一口にECサイトと言っても様々な種類があります。
ECは「モール型」と「自社サイト型」の大きく2種類に分けることができ、その中でもさらに細分化されています。
ここではひとつひとつのECの種類と、その特徴を解説します。

モール型

モール型ECサイトとは、一般的に「楽天市場」や「Amazon」のように1つの
ドメインに様々な販売者が出店しできたネット上の大型ショッピングモールを指します。
運営者はモールに店舗を出店してもらうことで、出店料や手数料を収益源としています。

メリットは
①運営元のブランド力を活用できる
②多くの人に見てもらえる機会を得られる

デメリットとしては、
①出店者が独自のブランディングをしづらい
②出店料を支払う必要がある
③プロモーション施策に制限がある

などが挙げられます。

モール型ECサイトの中でも「統合型」「テナント型」「マーケットプレイス型」の3つに分類できます。
それぞれの特徴を見ていきます。

統合管理型

運営元会社が出店先店舗を管理・運営する手法を指します。
例えば、セレクトショップをイメージしていただければわかりやすいと思います。
セレクトショップでは、各ブランドの商品を1店舗で管理し、商品販売をしています。
統合管理型では、運営元会社が大きな受け皿のようなサイトを作成し、そこへ出店希望企業を迎え入れ、管理・運営します。

そのため、出店する側としては、運営する負担を軽減することができ、
気軽にECを始めることができます。

テナント型

楽天市場のような大型モールに各企業・各店舗が出店し、出店者が管理・運営を行う手法を指します。
テナント型の場合、自社サイト型と比べ、手軽にECを始めることができます。
しかし楽天市場をイメージしていただきたいのですが、出店先企業は楽天市場の一部を借りて運営しているため、ブランディングや独自性を出すことは困難です。
かつ、会員情報の管理やポイント情報に関しても出店元サイトの意向に左右されるため、自由度は比較的低いと言えます。

マーケットプレイス型

「Amazon」のような運営元ECサイトに出展企業を集い、大きなモールに商品を出品する形式を表します。
そのため、商品管理や発送などの事務作業は各企業が担います。
テナント型との違いは、出店先企業名を基本的には公にしない点です。
企業ブランド力などで商品を売り込むのではなく、商品そのものが着目されます。
そのため、運営元ECサイトでの口コミや商品の特色を消費者へ密に伝えることのできる体制と言えます。
商品数が少ない企業などは、テナント型よりマーケットプレイス型の方が合う傾向があります。

自社サイト型

モール型ECサイトに対して、自社サイト型ECサイトとは「独自のドメインを持ち、サイトの管理・運営を行っているサイト」を指します。

モール型と比べ、サイト構築に時間がかかる、ドメインを取得する必要がある…など敷居が高いですが、商品ごとサイトごとに、最適な広告手法でユーザーへアプローチすることができることが特長です。
アプローチの例としては、下記のような手法が挙げられます。

・アフェリエイト広告
・リスティング広告
・SNS広告
・動画広告
・SEO対策

自社サイト型は、「ASP」「パッケージ」「オープンソース」「フルスクラッチ型」「クラウドEC型」の5つに分類することができます。
それぞれの特徴を見ていきます。

ASP型

ASPとは、アプリケーションサービスプロバイダー(Application Service Provider)の略語で、ソフトウェア稼働環境などをインターネット経由で提供する事業者のことを指します。
従って、ASP型ECサイトとはインターネット上に既に枠組みとして作成されているクラウド型ECサイトを使用するサービスを指します。
なかには、「イージーマイショップ」のような初期費用、月額費用無料でサービスを利用できるものもあります。

ASP型自社ECサイト既に枠組みがあるため、ITに知見がない方でも気軽に低単価で始めることができます。
ASP型では「BASE」が有名であり、個人で作成した商品や古着など自由に商品を販売することができます。(実は筆者も学生時代に古着のECサイト作成でお世話になりました)

メリットとしては、自社サイト型の中では比較的手軽にECサイトを始めることができ、初期費用を安く抑えることができる点です。
デメリットは、テンプレートが決まっているため、事業規模が大きくなった際のサイトを独自でカスタマイズすることはできない点です。

なので、「低価格で最低限の機能さえ備わっていれば良い」と考えている方にはうってつけと言えます。

フルスクラッチ型

大規模ECサイトで主に使用され、1から全てカスタマイズすることができます。
従って、事業主の希望を全てかなえることができる手法と言えます。

メリットは、ゼロからサイト構築するため、物流システムや商品管理などを希望通りに自由自在に行うことができる点です。
対してデメリットですが、システムが古くなった際に数年に一度システムを刷新する必要がある点です。また、一度フルスクラッチ型のシステムを依頼した会社から乗り換えることがなかなか難しい、というリスクもあります。

そのため、一般的なテンプレート機能では物足りない方や、他のサイトとシステム構築段階から差別化を図っていきたい方には、フルスクラッチ型ECサイトがおすすめです。

パッケージ型

一般的にECサイトに必要と言われる機能が全て備え付けており、そこから自由にカスタマイズすることができます。
そのため、パッケージ商品から事業主が必要と考えている機能のみを追加することで、フルスクラッチ型より低価格で希望のECサイト構築をすることが可能となっております。

ECサイト構築ソリューションで国内シェアNo.1の「ecbeing」が、有名どころです。*
*参照:https://netshop.impress.co.jp/node/6567

ただ、フルスクラッチ同様、システムが古くなることは避けられないです。
また初期費用やカスタマイズ費用も高いため、検討の際はフルスクラッチ型と見積もり比較をすることをオススメします。

特にITに知見がない人や、PCスキルに自信のない方にはおすすめです。

オープンソース型

ソースコードなどが無償公開されており、誰でもライセンスを利用することができます。
そのため、サーバー管理や運営を自分で行うことができる方であれば、費用を安く抑えることができます。
有名どころでは「EC-CUBE」がオープンソース型に該当します。

メリットは、
①知識次第では、カスタマイズが自由にできる
②ライセンス費用がかからないため、予算を抑えることができる
③利用者が非常に多いため、情報が世の中に広く流通しており個人での勉強ができる

デメリットとしては、
①運用保守できない場合、システム会社へ委託が必要
②ソースコードが公開されているため、セキュリティリスクが高い

などが挙げられます。

そのため、自社でWEBサイトを運用できる方であれば、低価格かつ理想のカスタマイズでEC構築を行うことができるのでおすすめです。

クラウドEC型

クラウド環境でECサイトの管理・運用をすることができます。また、クラウドなので、随時最新の状態にアップデートされます。
そのため、ASP型とフルスクラッチ型の良いとこ取りをしたハイブリットECと言えます。

良いところばかりのように思えますが、
クラウドEC型では、ソースコードの開示を行っておりません。
従って、「ソースコードの開示が必須条件」という方にはマッチしない恐れがあります。

今まで解説してきたようなシステム系ECサイトにありがちな、大規模アップデートへの対応の手間をなくしたい方には非常におすすめです。

まとめ

モール型は、即効性や使用者数も多く手軽に始めることができますが、運営者の考えているブランディングを行っていくには不十分です。
ですので、まずはモール型からECを始め、その傍らで時間をかけて自社サイト型の構築を行っていくことが筆者のオススメです。

「5G」の登場で通信環境の整備がどんどん進んでいく中で、ECサイトはより存在感を増していくでしょう。
ECの各種類のメリットデメリットを正しく理解し、予算やターゲットに合ったECサイト運営を始めてみてはいかがでしょうか?