サービスを急成長させる『グロースハック』とは?事例から成功手法を徹底解説

昨今、マーケティング業界で注目されている「グロースハック(Growth Hack)」をご存知でしょうか?
企業の採用の中で、「グロースハッカー」や「グロースハックチーム」など、多くの募集を見かけるようになりました。

現在、世界で成功を収めている民泊仲介サービス「Air bnb」や、若者中心に人気の根強いSNS「Twitter」などの企業がグロースハックを取り入れており、今やマーケティングに携わる人であれば、知っていて当然くらいにまでなっています。
今回は、グロースハックの意味や誕生した背景、具体的な事例などを通して、解説をしていきます。

グロースハックとは?

グロースハックとは、マーケティング側と開発側などプロダクトに関わる部署が連携し、製品やサービスのデータを分析、改善して課題を解決していくマーケティング手法です。

なお、グロースハックは製品やサービス、ビジネスや企業の「成長」を目標とし、販促活動だけでなく製品やサービスそのものの改善まで行います。

直訳すると、Growth(成長、発育)、Hack(コンピューターをハッキングする)となります 。

グロースハックはいつ生まれたのか?

グロースハック(Growth Hack)は、 2010年に提唱された新しい考え方です。
Dropbox社設立後のマーケティングを行った起業家、ショーン・エリス(Sean ellis)氏によって提唱されました。
従来のWebマーケティングの概念と異なる革新的なもので、今後重要だとされています。

1990代後半に、ショーン・エリスはという当時勤務していたゲーム会社にて、グロースハックの手法で業界TOPまで成長させています。

グロースハックとマーケティングとの違い

グロースハックは、マーケティングと混合しやすいので、違いについて解説していきます。

従来のマーケティングは、SEOや広告出稿、あるいはアクセス解析によるサービス成功の仕組み作りが主な内容でした。
しかし、グロースハックでは従来のマーケティング手法に加え、「サービスに成長・拡散の仕組みを取り入れる」ことを重点においています。

SNSを例にすると、TwitterやInstagramの「#タグ」機能があります。
例えば、投稿内に「#WEBマーケティング」として投稿するとします。
「#WEBマーケティング」で検索したユーザーに対して、投稿した内容が表示され、その他にも次々に広まっていきます。

このように、グロースハックでは、ユーザーが次々と使用・拡散するような「仕組み」を作ることが何よりも重要で、従来のマーケティングとの違いはこの部分にあります。

よって、グロースハックを専門に行う「グロースハッカー」には、商品やサービスに関する深い理解が求められます。

具体的にどんなことをするの?

『AARRR』5段階のフレームワーク

グロースハックには有名な「AARRR(アー)」というフレームワークが存在します。

米国の500StartupsというベンチャーキャピタルのDave McClure氏が提唱したフレームワークで 別名「スタートアップ・メトリクスモデル」と呼ばれています。

このフレームワークはサービスを…

  • Acquisition:ユーザー獲得
  • Activation:活性化
  • Retention:継続
  • Referral:紹介
  • Revenue:収益

の5つに分けて分析していく方法です。
それぞれ、解説いたします。

Acquisition (ユーザー獲得)

当然ですが、新規で商品やサービスを立ち上げた時、認知度は高くありません。
そこで自分たちの商品やサービスを広く知ってもらい接点を作る、「新規ユーザーの獲得」が第一フェーズです。

Activation (活性化)

商品やサービスを認知させることができたら、次はユーザーに利用を促し、活性化させる必要があります。
例えば「会員登録」などが例になります。
このようにユーザーにアクションを行わせることが、第二フェーズです。

Retention (継続)

利用開始してもらったら、次は継続して、できるだけ頻繁に、長期間利用してもらう必要があります。
第三フェーズでは継続を促す施策を実施します。

Referral (紹介)

継続して利用してくれるユーザーに対して、次はユーザー自らが友人や知人に、その商材やサービスを紹介・共有・拡散してくれるよう促します。
そのための施策が第四フェーズになります。

Revenue (収益化)

最後の第五フェーズは、ユーザーにできるだけ多くの収益につながる行動を取ってもらうことになります。

グロースハックの事例

Twitter

初回登録時にオススメユーザーを増やし、フォロー数増加しサービスアクティブユーザー増加

グロースハックを知るうえで欠かせない有名な事例が「Twitter」です。
Twitter(ツイッター)は、メッセージや画像、動画などをツイート(投稿できる)SNSです。

現在は、月間のアクティブユーザー数(MAU)は、世界で3億1900万人となっていますが、リリース初期はユーザー数が増えず苦戦していたそうです。

そこでTwitterはアクティブユーザーを増やすために、ボトルネックになっている部分を徹底的に分析し、「フォロワー数が30人以上であることが、長期ユーザーになるための条件」というデータを出しました。

当初は、Twitterログイン時にチュートリアルやサービスの特徴など、ユーザーにサービスの内容を伝えるような設計になっていました。
分析の結果、そこが離脱のポイントだと突き止め、ログイン時に「あなたにオススメなユーザー」を表示させる変更を加えました。
この改善を実装後、アクティブユーザー数が爆発的に増加、急成長を遂げました。

データを用いた分析結果をもとにユーザー数を急速に拡大した仕組み作りはグロースハックに欠かせません。
Twitterの事例は、参考となるお手本のような事例ですね。

Air bnb

業界最大手の競合に自動投稿し、自らのユーザーを大量獲得
Airbnb(エアービーエヌビー)は、2008年に始まった世界最大級の民泊プラットフォームで、空き部屋を貸したい人と、宿泊する部屋を必要としている人とのマッチングサービスです。

近年では「民泊」は多くのニュースやメディアで取り上げられていますが、サービス開始当初は行政やホテル業界には受け入れられず、ユーザーが増えずに苦戦していました。

そこで、Airbnb(エアービーエヌビー)は、プログラミング技術を駆使し、業界最大手で毎月20億PV数のコミュニティサイト「クレイグスリスト(Craigslist)」を利用し、大きな成長を遂げます。

クレイグスリスト(Craigslist)は、ローカルの物件情報が集まっているWebサイトで、すでに多くのユーザーが登録しています。
Airbnbの優秀なエンジニアは、非公開となっていたAPIを解析し、Airbnbの投稿をクレイグスリストにも自動投稿するように実装しました。

結果、広告費を1円もかけることなく、月間20億PVを持つプラットフォームの力を利用して、自らのユーザーを大量に獲得していきました。

キャッシュに余裕のないスタートアップ企業が、独自に独自の技術や知恵を活かしてグロースハックを成功させた素晴らしい事例といえるでしょう。

最後に

近年、ITやWEB技術が急速に発達し、次々に新規サービスが生まれては消えていく状況にあります。

そんな中で、グロースハックの様な市場のニーズやユーザーの行動を分析して改善するマーケティング手法が重要になってくると考えられます。

是非、自社のサービスをさらに拡大していけるように、グロースハックの手法を実践して、自社商材、サービスの成長に役立ててみて下さい。