アンケート調査結果をビジネスに活用する方法

ビジネスシーンにおいてアンケートを実施する機会は非常に多く存在しています。ただし、まだまだ実施したアンケートを効果的に活用できていない企業の方々がいることも同時に事実かと思います。今回はケースを分類して、具体例を用いながらアンケート調査をうまく活用する方法をご紹介いたします。

アンケート結果の活用目的は大きく分けて2つ

アンケートの集計結果から得られる新しい何かを知ること

世の中で行われている多くのアンケートの本質的な目的はすべてこちらに集約されると思います。
なので、様々な企業がお互いに自社の戦略を立てたり、自社の市場における立ち位置を確認するためにアンケート調査を行っているわけです。
※マーケティングリサーチ業界の市場規模は約2000億円とも言われていますので、それだけの調査がおこなわれているということになります。

感覚的に理解できるかもしれませんが、アンケートというものは1人分のアンケート結果を見てもこの目的においては全く意味をなしません。集まったすべてのデータ(最低でも100サンプル以上)からその意味を読み取り、自社のビジネスに活用していくという流れとなります。サンプルはどのくらいあればいいの?という話については数学的な話になるため、また別の利機会にしましょう。

代表的なビジネスにおけるアンケート調査の例

さて、ビジネスにおけるこの類のアンケートとして代表的なものは代表的なものとして、以下のようなアンケート調査が挙げられます。

  • 顧客満足度調査  
    →自社の顧客の自社に対する満足不満点を把握し、
     サービス改善に活用
  • 新商品受容把握調査
    →新商品開発時など、企画した商品が世の中に受け入れられる
     かどうか事前に把握
  • ブランドリフト調査
    →広告宣伝などを行った際、その前後で自社イメージや認知が
     どのように変化したかを把握する
  • 認知度調査
    →市場でどの程度認知があり、どのようなイメージを
     持たれているのかを把握

みなさんが自社のマーケティング担当者だとして、どんな調査結果や分析結果を得ることができれば、上司に自信をもって「この方針で行きましょう」とか「今の自社は○○な状態です」と報告することができますか?
その答えこそ、データを見る際にもっとも重要なポイントであるといえます。

アンケート作成のコラムでも記載していますが、’何となく’データを見ては行けません。自分は何を知りたいのかという目的を持ってデータと向かい合うことが非常に重要になります。

もちろん調査によって知りたいとされる目的は異なりますので、絶対的な正解をここでお伝えすることは難しいですが、いずれの場合においてもベースとなる指針はありますので、そちらをご紹介いたします。

一言で言うと
「誰が」「どんな人が」という二つの軸で見ることです。

「誰が」で見る調査結果

これは「属性情報」と呼ばれる個人に紐づく情報によって分類する見方です。
(例)性別 / 年齢 / 居住地 / 既婚未婚 / 子供の有無 / 個人年収 / 世帯年収 / 職業 など 

これらの基本情報はすべてのアンケートにデフォルトで入れておくことで分析の際に非常に役立ちます。個人が特定できる場合、既婚未婚や年収などのセンシティブな内容は聴取しないほうが良いとされています。
これらの情報によって以下のような分析結果を導くことができます。
(以下分析例)

  • 首都圏では、20代後半の女性に認知が高いが、関西圏では30代の男性に認知が高い傾向がある。
  • この商品は、大都市圏では受け入れられそうだが、地方圏ではまだまだ障壁がありそうだ。
  • 自社の商品購入者は高所得世帯(世帯年収1000万以上)の層が意外と多い。

「どんな人が」で見る調査結果

属性情報に対して、個々の特徴や性質にフォーカスをおいて分類する見方です。

(例)
   ~に興味がある(興味関心)
   ~を読んでいる(メディア接触条件)
   ~を知っている人(認知) など

属性情報と同様にこちらの分析軸も非常に重要です。しかし、属性情報のようにある程度項目が固定されている者とは異なり、目的に応じて軸が変化するので、最適な分析指標を見つけることは難易度が高いとされます。

しかし、これを使いこなせるようになることで、企業によって貴重な情報を見つけ出すことができるようになります。

  • 自社の商品購入者は共通して○○に興味を持っている傾向がある
  • 競合を認知している人の自社の認知度は低い傾向がある
  • ターゲット層は○○(メディア)をよく利用している傾向がある

分析軸に正解はありません。いい分析軸を見つけることがいい分析、すなわち企業に価値のあるデータの発見につながります。目的の設定と軸の設定は定期的にトレーニングすると良いかと思います。

個のアンケート回答結果から得られる個へのアプローチ方法を知ること

こちらは今すでにいる、「みなさんのお客様ひとりひとりのため」が目的となります。よく目にする来店アンケートや病院での問診表もその一つですね。

○○さんは□□に悩んでいて△△したいと思っている。

この情報をひとりひとり把握することによって、お客様に対して、適切なサービスや対応を提供できるようにしています。また、こういった個人に紐づく情報は当たり前のことながら時間とともに変化するものです。
なので、1か月に1回、半年に1回、1年に1回、など定期的にアンケートなどを用いて情報をアップデートすることで、より最適な対応が可能となります。
※相手の気持ちや願望が分からないと何をすればいいかわからないですよね。

また、メールアドレスや住所を取得することによって、メルマガやDMでアプローチすることが可能になります。
「結局は営業目的では?」と思うかもしれませんが、企業のアンケートももちろん企業の利益という大前提の目的があるため営業要素が入ってしまうことは仕方ありません。

もちろん、中には営業だとしても企業からの情報をポジティブに受け取ってくださる方がいらっしゃることも事実です。
だからこそ、企業とお客様がwin-winな関係を維持できるように不快感を与えないような工夫や施策を考えてやる必要があるのです。

意味のある集計をするためのコツ

一言に集計といっても方法は多種多様です。
今回はその中でももっとも集計の基本であり、柱でもあるクロス集計にについてご紹介いたします。

集計表の大分類

集計表は大きく二つに分けることができます。

単純集計表(GTともいう:Grand Totalの略)
 →1つの調査質問を選択肢ごとに集計したもの

設問ごとの全体としての回答傾向を把握するときに用いる
ただし、細かい条件がないため、特殊な傾向をもった区分がいた場合
GT表だと把握することができず、重要なことを見落とす可能性がある
ので注意が必要となります。

クロス集計表(2重クロス・3重クロス などがある)
 →ある調査設問を特定の分析軸ごとに分類して集計したもの

確認したい調査質問において、自信で定めた分析軸ごとの数値結果を見たい場合に用いる。

以下の例は実際に自社で調査した、エリアごとのWEBマーケティング施策
の重要度の意識調査結果です。「全体」という行の結果がこの設問の単純集計
の結果ですが、エリアを分析軸に入れることによってそれぞれの意識に違いが
あることが分かります。
※1都3県のサンプル数が多い(実際の人口的にもそうですね。)ことに
 よって全体の調査結果が1都3県に引っ張られているということになります。

エリアで分析するとこのようになりますが、これを例えば性別軸できることによって、男女における重要度に対する意識の差が見えてきたりするかもしれません。自社でお持ちのデータを色々分析してみるとおもしろい結果が出てくるかもしれませんね。

まとめ

今回は調査結果の活用法というテーマデータの見方について基礎的な内容をご紹介しました。冒頭にもお伝えした通り、データの分析に正解はありません。100人の分析者がいれば100通りの分析結果が出てきます。(もちろん部分的に同じものはあると思いますが。。。)

ここでもっとも伝えたいことは皆さん一人一人がこれまで十分に活用できていなかった、自社のアンケートを活用するようになり、データを見るようになる。そうなることがまず第一歩だと思っております。